新しい虹

列車は急に行く先を変え 俺の駅には止まらなかった
俺を待ちわびていたやつらが一瞬で流れて行った
次に止まるのは200マイルも先だろう
次に止まるのは200マイルも先だろう

「俺が何をしたというんだ?」つぶやく男は
それが何もしなかった報いであることに気づかないふりさ

「安物の煙草の匂いが服に染み付いてとれない」
新しい風が吹くのを女は待っている
丘の向こうの雨は止んでいたが
かかった虹は彼女が見るには低すぎた

列車は急に行く先を変え 俺の駅には止まらなかった
俺を待ちわびていたやつらが一瞬で流れて行った
次に止まるのは200マイルも先だろう
次に止まるのは200マイルも先だろう

「ぼうや、ごほうびをあげよう、欲しかったんだろう?」
死んだ子が握っていたアメ玉を老婆は笑わずに投げてよこした

若者の神でいつづけられず 逃げ出したやつもいた
光も言い分けも失ったやつらは戸惑ったが
新しい神をまつりあげるのにかかった時間は
嘆いた時間より短かった

列車は急に行く先を変え 俺の駅には止まらなかった
俺を待ちわびていたやつらも知らない誰かを
俺の名で呼んで連れて帰るだろう
俺の名で呼んで連れて帰るだろう

1997.8.12  詞:Masayo 曲:yo!

 

初めてステージで演奏した、Masayo作詞の曲。記念すべき曲ですね。

改めて字で読むと怖いなぁ〜。
……このときね〜、めちゃくちゃに腹の立つことに巻きこまれてた所に
ボブディランの訳詞を読みふけっちゃったんですよ。。。
それで一気にアッチ側に行っちゃったんですねェ。
(そう言われてみれば、なんかの直訳みたい?)

一日でガーッと書いて、yo!さんに勢いで送りつけたんですが、
語呂はあってないし、言葉数もバラバラだしで、相当困られたみたいです。
それでもすごくカッコイイ曲をつけてもらったのですが、
出来あがった曲はなぜかキーがあわなくて結局Masayoは声の出る所だけ唄って、
後はyo!さんが唄ったという、なんともめずらしい曲になっております。

この時yo!さんが、「こんなの無理!」と言わずに曲をつくってくれて、
KINさんが「こんなのヤダ!」と言わないでベースやキーボードをいっぱい弾いてくれて、
私を「オリジナルがやれる人」として人前に立たせてくれたことが、
その後の私に大きく影響したのでした。
すごくすごく感謝しています。