vol 66.銀河鉄道の夜 ライナーノーツ

 

 

 

 

楽音VOL6、つかぼんは不参加だったが、当日の打ち上げ会場でDANAEさんが預かってきたCDを頂いた。

 

つかぼんのライフワークであった「銀河鉄道の夜」のCDである。

 

2枚組の大作、ライフワークと聴くと、どうしても身構えてしまう。
ちょっとやそっとの気軽な気分で聴くわけにはいかない。

 

そう考えると億劫になる。


そんなわけで、もらってから約1ヶ月ギターケースの中にしまったまま、できればこのままCDが行方不明にならないものか?などと不謹慎に考えていた(笑)。

 

 

 

年末に「みぃぃ」さんの家で忘年会した時、テーブルの上につかぼんの銀河鉄道の夜が置いてあった。

「おっ、聴いた?」

「うん、今はまず、歌詞を読んでいるのよ」とみぃぃさん。

 

 

 

そんな事がきっかけで、ギターケースの中からCDを取り出し、年始にiPhoneにインポート。

ぼちぼち繰り返し聴いている。

 

 

今日は、昨夜から降った雪が積もり外出する気になれない。


こんな日は家の中で、つかぼんの「銀河鉄道の夜」を聴きながらライナーノーツをしたためる事にしよう。
 

それが「このままCDが行方不明にならないものか」と不謹慎に考えたことの償いでもあろう。(爆)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2011年10月22日、つかぼんの誕生日にリリースされた「銀河鉄道の夜」

作詞・絵は かな絵さん、作曲・アレンジ・演奏は つかぼん。

 

全10曲が、歌曲バージョン、アカペラバージョン、インストゥルメンタルバージョンの3パターンで収録されている。

つまり、ひと粒で3度おいしいCDなのである。

 

で、歌詞と歌詞の元になった原詩がジャケット冊子に掲載されており、この対比をするのも趣きがある。

こうなるともう、「ひと粒で4度おいしい」事になりお得な気分になる。(笑)

 

 

宮沢賢治の童話「銀河鉄道の夜」の九つの章をそのまま楽曲名にし、構成されている。

(サブタイトルが、本来の詩のタイトルだろうか?)

 

あいにく宮沢賢治の童話に精通していないので、あくまでもCDの楽曲に対する感想である。
で、ライナーノーツなので、少し上から目線の部分があるかも知れない。

 

そのところをご理解いただきながら読み進んでいただくと幸いである。

 

 

 

 

 

1.午后の授業

  幻想的な楽曲。「あの夜の真ん中に一緒に立とう」って言うフレーズがいいなぁ。

2.活版所

  ワルツにあわせ軽快にまわる輪転機の音がする。

  オリジナルの歌詞そのままでも楽曲になるが、歌詞はあえて曲の音数にあわせる読ませ方をしたり、考えられている。

  原詩「手の中の一枚の銀貨 きみの瞳の青い銀河」ってとこが素晴らしい。

 

 

 

 

 

 

3.家

  お洒落な前奏から始まるこの曲は、歌にはいるとカレッジフォークのような爽やかさがある。

  「熱い甘い白い陶器」に注いだものは何?って思ったが原詩を読むと理解。少しエロく考えすぎたかな?(笑)

4.ケンタウル祭の夜

  モンゴルの高原に立ち、風を感じながら星空を見上げる。そんな風景が見えてくる。

  最初聴いた時は退屈に感じるが、何度か聴くとそのたびにいい味が出てくる曲である。

 

 

 

 

 

5.天気輪の柱

  つかぼんらしいメロディのこの曲は、少し暗いイメージの原詩を楽曲では希望の光が見える解釈の歌詞に変えられている。

  このことによって「ここにたたずむ人」の姿がより一層はっきり見えてきている。うまく曲に乗せたなぁと思う。

6.銀河ステーション

  まさしく「銀河鉄道」っていう楽曲!スターウォーズを思い出させるようなイントロから力強い歌につながる。

  原詩のほうは長い文章だが、これも又良いです。

 

 

 

 

 

7.北十字とプリオシン海岸

  「♪ダンシング クィーン♪」と歌いそうになるイントロ。(笑)

  ここでこのリズムを持ってくるのは流石。

  旅の途中、ちょっと休んで思いを馳せる、そんな安らぎを感じる曲です。

8.鳥を捕る人

  行進曲のリズムから始まり、知らないうちに「聖歌隊」の荘厳な楽曲へと発展する。

  唯一、原詩のまま歌われている曲。

 
 

 

9.新世界交響楽

  この曲は「7.北十字とプリオシン海岸」のパート2の原詩から作られたものである。

  軽快に掛けあって歌われるリズミカルな曲。

  意識して作られたわけではないだろうが、3.11.大震災を想像してしまうのも何かの縁か。

10.ジョパンニの切符

  合唱曲として有名な曲、と紹介されても疑いはしないだろう。

  すばらしいメロディとコーラスは最後を飾るにふさわしい楽曲である。

 

 

 

 

 

かな絵さんの散文詩にインスパイアされて、一気に加速した「つかぼんのライフワーク」。

 

お二人がたくさんの時間をかけて作っていった様子がよく伝わってくる。

 

そして、なによりも「つかぼん」の生きてきた人生が、曲を通じて伝わってくるのが何とも言えず感慨深い。

 

願わくば、メロディのガイドラインが入っていないリミックス版を聴いてみたい。

 

このCDを聴いて、少し「銀河鉄道の夜」の勉強もできた。

 

裏ジャケットの絵は「烏瓜」なんだ、って事もわかった。

 

 

このCDの完成でいったん区切りをつけたつかぼん。

 

しかし、まだまだ次の人生に向けて新しい曲を作ってくれるだろうことに期待する。

 

 

こんなCDを制作できたつかぼんに出会えた事が、私にとって幸せである。

 

音楽って素晴らしい。

 

 

 

2012/01/05 雪の降り積もる新年、自宅にて。

 

 

 

 VOL67.coming soon

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