【第13話】「ギター購入大作戦」(ショップに向かう)
という訳で(どういう訳か?は第12話を読んでくださいね)いよいよロスでのギター購入大作戦の決行と相成ったのである。
11月のロスの17:00と言えば、薄暗い。言わば夜である。見ず知らぬ夜の街に一人繰り出すのであ〜る!
ホテルを出る時、同室のH氏が、「行き先の住所をメモしていってください。」と言う。
「それで、グリーンのジャンパーに白の帽子かぁ…。」なんて小生をまじましと眺めている。。。
「いつ頃、戻りますか?」「そうやね。これから行って、3時間後位かな?余裕があればライブハウスにも寄って来るし、帰りは22:00か23:00かな?」なんて答えると「えーっと、23:00。戻らなければグリーンのジャンパーに白の帽子…」
おいおい!H氏は小生が23:00に戻らなければ警察に消息願いを出すつもりらしい…。
彼らはこのあとオプショナルツァーの「なんでもナイト」に出かけるのだと言う。地元のガイドさんにショッピングや食事や夜景を見に連れて行ってもらうコースで、19:00〜22:00の予定らしい。(ちなみに一人50$)
「気をつけてね!」と言う声に送られ、部屋を出た。さぁ、これから一人だ!
エレベーターに乗り込む。1Fのボタンを押す。エレベーターが1Fに着いた。「よし!」と自らを励まし、廊下を歩く。
「……。ん?」どこまで行ってもホテルの出口に着かない。案内板に「プールはこちら」とか「従業員専用」とかのアナウンスが見えるが「ロビー」の文字が見えない!
どういう事だ!落ち着け。ぐるぐる廊下を回る。出口もロビーも無い。「うわーん」泣きそうになる。
うん!もう一度最初からやり直しだ。
部屋の階までエレベーターで戻る。
エレベーターを出て一息つく。ふーっ。落ち着くんだ。
もう一度エレベーターに乗り込む。
ボタンを押そうとしたら!@ALCD…と記されている。
うーん、お馬鹿さん。ロビーは1階では無く3階であったのである!(相当緊張しているのが、自分でわかる)
やっとの事で、ロビーから外に出られた。黒人の兄ちゃんに「タクシー プリーズ!」と言う。
黒人の兄ちゃんは「ここで頼むのとちゃうでぇ。もう1回ホテルに入って左側に行きな」と言う。
言われるとおりエントランスに入り、左に曲がると白人のおばぁちゃんがカウンターにポツンと座っている。
あのー、ここでいいの?と思いながら「タクシー プリーズ!」と言うと「OK!ジャストモーメント。ファイブミニッツ!」と言われた。
ホッ。とすると同時に「ファイブミニッツ待て」という具体的な指示に「アメリカだなぁ」と感心してしまった。
5分待つと、さっきの黒人の兄ちゃんが「タクシー来たでぇ。どこまで行くのや?」と聞いてきた。
「サンセット・ブルーバード!」そう言うと、
タクシーの兄ちゃんに「このお客さん、サンセットブルーバードやて」と言い、タクシーのドアを開けてくれた。
黒人の兄ちゃんにチップを渡し、タクシー(というかアメリカンバン)に乗り込んだ。
「ギターセンター アット サンセットブルーバード、プリーズ」と言うと「アイ・シー」と運ちゃんは応え、バンを走らせた。
若い運ちゃんである。なかなかハンサムである。キムタクみたいである。好青年で男前の見本みたいな男である。うらやましい。。。
うらやましがっている場合ではない。バンが走り出してしばらく会話が無いのである。お互い気まずい思いでいる。車で10分ほど走ったあたりでサンセットブルーバードの通りになった。きれいな通りを予想していたが、田舎の国道である。
「こほん」と私がセキをすると、運ちゃんが「びくっ」とした。
うーん、まずい。お互い得体の知れぬ人物に緊張感がピークに達している。「あぁ、英語力が無いなぁ。気の利いた会話が出来ない。情けない。。」なんて思いながらも勇気を出して話かけた。
「ドゥユー ノウ ザ ハウス オブ ブルーズ?」(ハウス オブ ブルーズ とはライブハウスの店名です。)
「イヤー。」と運ちゃん。
「ホェアー イズ?」と私。「ビバリーヒルズをダウンヒルした所にあるぜ」と運ちゃん。
「オー、ジス ストリート?」「ノー、あんたがこれから行くギターセンターから車で5分くらいの所にあるさ」なんて言う。
こういう会話をしなくちゃね。黙って座ってる一人のっちの日本人は相当薄気味悪かったにちがいない。
そうこうしているうちに15分ほど走っただろうか?車が停まり「GUITAR CENTER」に着いた。
「うん?ここが?」予想に反し、小汚いショップであった。(日本の郊外にあるディスカウントショップを想像してください)
来てしまった!とうとう、来てしまった!ギターセンターだ!
タクシーの運ちゃんに15$渡して車を降りた。
そしてギターセンターの入り口に向かったのである。。。