vol 16.THE BAND

 

THE BANDである。TT.BANDでは無い。

THE BANDを「知らない人は全く知らない」と思うので、簡単に紹介しておきましょう。

と言っても、どう紹介(表現)していいか分からない。。。。。

であるから、私とバンドの出会いから今に至るまでの25年間をダイジェストでエッセーにしましょう。

そうすると、少しザ・バンドの事を理解いただけると思います。

(なぜ、唐突にザ・バンドについて綴る事になったか…。今夜すごく感動のDVDに出会った為です。詳細はエッセー終盤にて。)

さて、私とザ・バンドとの出会いは「ボブ・ディランがすごいライブアルバムを出したらしいで!」という友人の一言から始まる。そのアルバムとは1974年にリリースされた「Befor The Flood」というアルバムであった。

その数年前から「ディラン(ボブ・ディランは比較的有名なので紹介は省略します。)のバックバンドとしてすごく評判がいいバンドがついたらしい」との噂を耳にしていたが、ザ・バンドの演奏を聴くのはこのレコードが始めてだった。(写真のCDは後年購入したものです。当時は2枚組LPレコードだった。)

左の写真がそのジャケットなのであるが、ライブのアンコールで客席の皆がライターを振りかざしている模様がナントも言えず、このジャケットだけで感動した思い出がある。

この「洪水の前に」とタイトルされたアルバムには、ディランを離れてザ・バンドだけの演奏(唄)が8曲収録されている。

ディランもいいのだが、ザ・バンドの楽曲が素晴らしい!素晴らしすぎる!のである。

ディランの曲をカバーした「I Shall Be Released」なんか鳥肌が立つほど名演である。

当時は何度も何度も繰り返し聴いたものである。このアルバムをきっかけに、それ以前にリリースされていたファーストアルバムMUSIC FROM BIG PINKを買い、そしてセカンドアルバムを買い…とザ・バンドの虜になってしまったのである。

アメリカの様々なルーツミュージックを自分達なりに解釈して…という演奏はラフな中にも心に突き刺さるほど衝撃的なインパクトを与えてくれました。(右の写真はディランと地下室にこもり製作したプライベートなアルバム「ザ・ベースメント・テープス」

 

そうこうしているうちに、「ザ・バンド解散。解散コンサートの模様はラストワルツという映画になり公開予定。」というニュースを聞き、唖然とした覚えがあります。

結局、生のステージを見る事が出来ないままザ・バンドは解散したのです。

映画ラストワルツは一般の劇場では公開されず、当時(1976年頃だったかな?)10名ばかりの仲間達と大阪の上映会場まで出かけた。会場では、様々なミュージシャンが映し出されるたびに「イエェー!」とか「ヒューヒュー」とか拍手とかして盛り上がった。(もちろん、後年このラストワルツがLDとして発売された時には一番に買いました。)

その後、KB担当のリチャード・マニュエルが自殺(飛び降りだったと記憶している。)し、永遠にザ・バンドの演奏が聴けなくなってしまった事実に又もや呆然としたものです。

そして、月日が流れ1996年、ふと立ち寄ったタワーレコードで、見た事の無いジャケットの「THE BAND」のアルバムを見つけた。

「ん…?」手にとって見ると、ザ・バンドのニューアルバムである。

ギターのロビー・ロバートソンはクレジットされていないが、その他のオリジナルメンバーは全て入っている。

DsとVoのレボン・ヘルム。Kbとホーンのガース・ハドソン爺さん。ベースのリック・ダンコ。

オリジナルメンバー5人の内、亡くなったリチャードと仲たがいしたロビーの2人が居ないが、代わりにキーボードのリチャード・ベル、ギターのジム・ウェイダー、そしてツインDsとしてランディ・シアランテの3名が加わっている。

このアルバムもまぁまぁいいのだが、かつてのザ・バンドの泥クサさが無くて、そして年老いたレボンや中年太りのリックの写真に少々ガックリしました。(でも、私の好きなディランのForever Youngがカバー曲で収録されていた。又この曲がガース爺さんがアコーディオン弾きながら唸っている声がマイクに入っていて、すごく感激した。)

そして、しばらくして偶然入った電化製品屋に(良くも偶然が続く事…)「メイキング・ザ・バンド」と称されたDVDが置いてあって、購入した。

ザ・バンドのレコーディングエピソードが綴られたドキュメントで、昔の映像と現在のメンバーのインタビューで構成されていた。(BSTVでも放映されていたモノと同じやつ)

ここでも又、老けて元気の無いレボンとぶくぶく太ったリックのしゃべる姿に、幻滅に近いモノを感じられずに居られなかった。

やはり、月日には勝てない。

あの頃のザ・バンドの興奮あふれるステージは、もう見られないのだ。

絶望に近い思いで3年間が経ち忘れかけていた頃に、神は微笑むのでしょうか?

今日(2001.3.16)ギター弦エリクサーを買いに行った楽器屋で、偶然(又もや偶然です。本当に偶然です。信じて!お願い!決してネタじゃ無い。)「THE BAND Live at The New Orleans Jazz Festival」というDVDを見つけた。

「もう、ザ・バンドは俺の中では神話になってしまったんだ。今のバンドに期待してはいけないのだ。」と頭の中で反芻しながら、2980円という値段に負け「騙されたと思って買おう。」と弦と一緒に買ってしまった。

久しぶりに早く帰宅できたので、早速DVDを見た。1995年のライブである。

「…!!!!!!!!!!!!!」

めっちゃいい!!

年老いたレボンじゃない。元気にDs叩いて唄ってる!

太ったリックはかつてのようにギターのようにベースを弾きまくっている!

で、リックの唄がいい!めっちゃいい!

かつては「若さにまかせて」唄っていたが(これはこれでインパクトあったが)すごく感動的な唄い方になっている。

ザ・バンドの代表曲である「The Weight」も演奏している。すごい!

このDVDでは、リックに釘づけにされた。かっこいい。ぶくぶくと太っているが、めっちゃいい。

途中で涙があふれてくるほど感動した。

5年間「ぶくぶくのリック、かっこワルー。」と思っていた俺を許してたもれ。

25年経って、「やっと、THE BANDのステージを見る事が出来た!」という思いになるほど、素晴らしいライブDVDでした。

←若かりし頃のリック  近年のリック→

ほんと、いいライブDVDであった。出来れば全国の皆さんに見ていただきたい。

私がBSフジのディレクターだったら、間違いなくゴールデンタイムに放映するであろう。

新加入のメンバー3人達もすごくいいし、ガース爺さんの狂気的なKbも、レボンの唄やDs、マンドリン、ハープもいい。

しかし、何といってもリックのベースと唄が絶品である!。。。

 

が、残念な事に…、

リックは昨年、帰らぬ人となっている。。。。。。

 

 

 VOL17.フラマン

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