vol 50.祝春一番コンサート(その8 最終章)
2006年5月6日(Ver5)
■祝春一番にありがとう
何やかんや言いながら、又長いレポートになってしまいました。最後までおつきあい頂きありがとうございます。
なんせ、春一を聴きながらこまめにメモをとることもしておりませんので、レポートと言いながらも肝心なことを伝えられなかったり、大事なところが曖昧だったりして間の抜けた文章になり申し訳なく思ってます。
初日には行けず、風太の最初のひと言は何だったんだろうと気にかけておりましたが、「新しいコンサート、祝春一番です。」だった事を幻泉館日録というサイトで知りました。
(幻泉館ご主人のレポートは、4日間ともアップされておりますし、内容も小生のレポートは足元にも及ばないほど素晴らしいので、ご参照いただきたい。)
さて、祝春一番の祝である。アベちゃんが名付けたとか…。
でも、垂れ幕に大きく祝なんて書いてあったら興ざめだなぁと思っていたが、うまく表現してくれています。
こういうセンスは凄いと思いますし、今回はJazzバンドもありぃでステージ周りやPA、スタッフもいつも以上に大変だったと思いますが、それを我々に感じさせないイベントの作りには、頭がさがる思いです。これはもうひとつの文化です。
うまく世代交替しながら、続いていってほしいと願ってます。
■新旧、師弟コンビ!
さて、ラス前の十二番手に登場したのは「押尾コータロー」
TVなどで何度か見ているがナマは初めて。
グレーベンのギターが凄い鳴りをしていました。
右手の使い方は、師匠中川イサト譲りですね。
しかし、脂の乗り切った旬の押尾はおいしくてインパクトあるテクニック満載で、聴いている者を圧倒する。
いやぁ、カッコいいわ。
しかも、人柄が明るくてええ。
難しそうな顔でテクニックひけらすんじゃなくて、押尾君の笑顔がよろしい。
ご存知のとおり、押尾コータローは中川イサトのギター教室の生徒です。
僕が初めてコピーしたのは、イサトさんの六番町ラグです。と言ってさわりも演奏。
で、そのあとイサトさんが出てくるのでした。
「はじめはね、なんか演奏してみぃ?と言うと、ガチャガチャとアリスを弾くの。しかも唄つきで。」という師匠の裏話も飛び出して…(笑)
2曲ほど二人で演奏。
最後の曲は、私も好きな「その気になれば」。
「その気になりさえすれば 夏の終わりの 海にいられるのに…」
イサトさんのヴォーカルに押尾さんのコーラス!贅沢なユニットや。
■フォークソング唄います
この日のトリは加川良。
午前中、久しぶりにお会いしたのでいろいろお話しさせていただきました。
話の内容は、公開すると差し支えあるので控えますが、別れ際に、「僕も今日は、一日中そこらウロウロしてるから、まぁゆっくりしていきぃ」と肩を叩いてくれた。
その時はまさかトリの出演だとは思っていなかった…。
「押尾さん、木村さんを差し置いてトリを務めさせてもらいます。フォークソング唄います。」
「実は、ここだけの話ですが僕フォークソングが嫌いやったんです。フォークソングやってる人たちが嫌いやったんです。」
それが、吹っ切れたのだと言う。(午前中にお話した時からそのニュアンスは感じられた)
これは推測になるが、やはり高田渡さんの事を契機に、もう一度自分自身を見つめなおす作業をされたんじゃないかと思う。
「この世に住む家とてなく」「生活の柄」と渡さんの曲を続ける。
そのあと、すぎの暢(スチールギター)、佐藤良成(フィドル)、長田タコ(マンドリン)、そしてコーラスに佐野遊穂・よしだよしこのメンバーで「ラブソング」
去年も「あした天気になあれ」を唄ってくれましたが、アウト・オブ・マインドのアルバム大好きなんですよね。そのアルバムの1曲目に入っています。
「このレールのずっと向こう どこまで行けるのかね
ほんとこの先僕は 何をすればいいのかね 落ち着かないんだ」
そして、まさかの「教訓T」!
最後は「生まれた時から僕たちは 滅び行く道の上にいる」というフレーズの唄で、「幸せそうな人たち」という曲でしょうか?
一連の選曲は、渡さんと自分のためのモノだったような気がします。
高田渡と春一番に捧げる最高の選曲だった。
そしてアンコールに呼び戻されもう1曲。
「もう遅いし静かな曲やろうか」と弾き語りで「そう私」。
「空から空まで感謝します」
今になって、良さんがこの日書いてくれたサインの深い意味をしみじみと感じています。