vol 64.一宮の熱い1日

■プロローグ

 

TT.BANDのHPを立ち上げた時、川崎のkeiichiさんと懇意になり、ネット上で音楽の話などをやりとりしていたのが2000年夏。

 

その5年後、2005年8月に、横浜でkeiichiさんと初めて対面し、一緒にライブをして夜遅くまで語り合った。

 

ネットでのつきあいで、顔も知らない友人と会うというのはある意味冒険でもある。

 

冒険と言うのは、ネットの世界と現実は異なるもの、相手は「仮面をかぶった人間で実際会うと危険な人物」であるかも知れないし、危険じゃなくても「描いていた人物像じゃない」という失望感があるかも知れないからである。

 

 でも、音楽をやっている人間ってのは嘘が無い。逢ってみて素晴らしい人間であり、思い描いていたとおりの人物でした。

今年2月も川崎に泊まる機会があり、keiichiiさんに無理を言って付き合ってもらい夜遅くまで飲んだ。

 

 そんなkeiichiさんと知り合った2000年夏から半年後くらいだった頃だろうか…

 

私たちの前に彗星のごとく現れた男がいた。

 

なんとも言えない味のある男で、奴は「憧れ座」というポエムなタイトルのサイトを立ち上げ、はちゃめちゃなコンテンツで自分自身をさらけだしていたのである。

 

 奴は「たにしん」と名乗り「トラウマ7」というシュールな一人バンドの音源をアップしたりしていた。

これが又、私のツボにはまり、keiichiiさんのつきあい同様、ネット上であれやこれやと意見を言わせてもらいながら、つきあっていただいた。

 

しかし、1年経った2002年夏、流れ星のように突然サイトを閉鎖し、行方知らずとなってしまった…。

 

 「大変な出来事が起こったんだろうな」「きっともうこの世に居ないのかも知れない…」

そんな事をkeiichiさんと飲みながら話をしていた…              「たにしん…」

 

 

 

 感傷的な気持ちでいた頃、

yo!さん、超・超・超・超ご無沙汰しております。谷でございます〜!!」なんて脳天気にBLOGにコメントしてきたのが今年5月末の事。

 

思わず「たにしん!生きていたか!!」と鳥肌たちまくり…(笑)

いやぁ、うれしかったです。

忘れずに帰ってきてくれた…

 

という訳で、又ネットでのやりとりを再開しながら「じゃぁ、夏休み都合のいい日に逢おうよ」という事になった。

 

keiichiさんとの対面で不安は一掃されていたので(笑)、何気に尾張一宮へ向かう事にした。

 

 

■一宮観光

 

自宅の田舎駅から朝早く電車に乗り込む。

 

やたらと荷物が多いが、今日は8月11日、平日(月曜日)の8:00過ぎ。

電車は通勤ラッシュも終わり快適に目的地へ…。

 

と思ったのが大間違い。

 

一宮までの電車、JR時刻表とリュックを背負った若者、親子連れ…で満員電車状態。

  

すきまを見つけて途中から座れもしたが、予想外の混雑にギターが押しつぶされないよう気遣いながら、一宮へ。

  

尾張一宮に着き、ホームから改札に向かう。

 

駅の階段から改札に向かうと一目でわかった「たにしん」

 

なんかもう、嬉しくてね。

たにしんさん、一礼して出迎えてくれた。

 

 近くの路上に車を停めて出迎えてくれたもうひとりの男性がいた。

あいちゃんである。

たにしん復活のサイトで知り合った御仁である。

 

 私が「一宮のモーニングを体験したい」と書いたら、「つきあいますよ」と言ってくれた。

約束どおり車で駆けつけてくれて、喫茶店に連れてくださった。

 

喫茶店モーニングサービス発祥の地が一宮らしく、昭和31年に始まったとのこと。

つまり、私とモーニングは同い歳なのである。

だから、妙に親近感あったんだな。(笑)

 

 一宮のモーニングを食べながら「じゃぁ、とりあえず138タワーに上ってみますか?」と。

 

 

 あいちゃん曰く「イチ の ミ ヤ で、1 3 8タワーなんです。138mあります。」

 

ほほーっ、その昔パチンコで、7 5 8(ナゴヤ)と揃えば、必ずフィーバー777が来るという機種があったが、愛知県の方は、このような語呂合わせが好きなのかな?(笑)

 

 車で20分ほど走っただろうか?

目の前に現れたタワーは、変な形をしているものの、予想以上に綺麗な造形物であった。

 

 おっさん3人が仲良くエレベーターで展望台に上る。(笑)

 

展望台からは木曽川と尾張平野が一望できる。

いいロケーションである。

歴史を知っていれば、そこに広がる平野や山並みに武将たちの戦いを思い浮かべることが出来るのであろうが、無学の私は、ただただ雄大な景色に感嘆するだけであった。(笑)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ほどなく展望していると時刻は昼をまわっていた。

昼食は、あいちゃんのお知り合いの店でとることになった。

 

「ひつまむし(ひつまぶし)」である。いわゆるうなぎ丼がおひつに入って出てくる。

おいしそうな香りに、写真撮るのを忘れましたが(笑)これが又絶品でありました。こんな沢山のご飯食べられないと思いましたが、何のことはない最後の1粒までおいしくいただきました。

 

 おかみさんに食べ方を教えていただきました。

まず、おひつを4等分に区切る。

1つめはそのまま食べる、2つめは薬味(わさび、のり、ねぎ)とともに、3つめはお茶漬けにして、そして4つめは、3つの中で一番おいしかったと思う食べ方で。

 

  お店のTVは高校野球、そして飛び込んだニュースは「北島 100米平泳ぎ世界新記録で金メダル!」

そんな風景のなか、思春期時代の音楽談義に花咲かす。

 

 

 

 

 ■快適な空間でセッション

 

  木陰のある公園でいいからビール飲みながらポロンとギター鳴らして遊ぼうよ、と始まった今回の企画。

「一宮の不快指数は北京なみです。」と言われ少し心配していたのですが、なんと「あいちゃん」が、自分の会社事務所を開放してくれました。

 

 簡単なPAもセットしてくれて、エアコンは効きーの、タバコもOK、冷蔵庫から好きな飲み物をどうぞ…と。

なんという快適な空間か!あいちゃんに感謝です。

 

 

 

 「さぁ!」と、おもむろにギターのチューニングをする。

 

 互いにそれぞれのギターを弾かせてもらう。

(私とたにしん持参のギターは1本だが、あいちゃんはSヤイリ、マーチン、ギブソンなど5本出してくれました。)

 

アコギ好きにはたまらないギター弾き倒し…(笑)

 

 しかも、あいちゃん所有のギターはどれも弾きやすく、こまめにメンテされているんだろうなと感心しました。

 

さて、3人でセッションです。

 

 

 

  たにしんの生唄とギターは、やはり彼らしい雰囲気が出ていました。

 トラウマ7の勢いもいいし、日時計っていう心優しい唄もなかなかジンとさせます。

 

一体、この落差はなんやろなぁ、まぁこれが「たにしん」の良さなんだろうけど。(笑)

 

 

あいちゃんは、ギターもさながらウクレレも上手に弾ける。

しかも又、声が超素晴らしい。

 

3人で演奏録音した「間に合うかもしれない」は、たにしんサイトでアップされるのかな?

その節にはぜひ、あいちゃんの声を一聴してみてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あっと言う間に5〜6時間過ぎてしまった。

好きなことやってるとホント時間が経つのは早い。

 

帰りもお二人が駅まで送ってくれました。

それどころか、駅のホームまでご一緒いただき電車が発車するまで見送っていただいた。

たにしんさんプランの「電車と並走する」まで実行いただき、幸せな気分で一宮をあとにした…。

 

 

 

 

 

■エピローグ

 

 

文面には無いが、あいちゃんには興味深い話をたくさん聞かせてもらった。

 

ほんの1ケ月前にたにしんさんが、あいちゃんと知り合い、その1ヶ月後に私があいちゃんと出会う。

なんと言うタイミングの出会いなのでしょうか?

 

 

こういう機会が訪れたのも、あの7年前があってこそだと思う。

 

一期一会というやつですな。

 

いづれにせよ、破天荒な「たにしん」と大人の対応ができる「あいちゃん」のおかげで、楽しい1日を過ごさせて頂いた。

 

若い頃にはなんとも思わなかったが、つくづく音楽やってて良かったと思う。

だって、あのままサッカー一筋に生きていたら、この歳になって「じゃぁ、会ってサッカーして遊ぼうか」と気楽に言えないもんな。(笑)

 

ギターと元気な体と少しの自由な時間があれば、こうやって遊べる事に感謝。

そして、出会う全ての人達に感謝。

 

たにしんさん、あいちゃん、どうか又一緒に遊んでやってください。

 

 

 

 

 

 

 VOL65.

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